タラ
よっしゃ!デザインはできたぞ。あとは印刷するだけだろ?
そう簡単じゃない。印刷用データには特別な準備が必要だ。
えっ、マジで?何が違うんだ?
その通りです。画面で見えているデザインをそのまま印刷すると、思わぬ問題が発生することがあります。印刷用データを正しく作成する手順を見ていきましょう。
目次
1. カラーモードの確認と設定
- ファイル > ドキュメントのカラーモード でCMYKになっていることを確認
- RGB画像がある場合は、編集 > カラー設定 でCMYKに変換
CMYKって何だ?RGBじゃダメなのか?
CMYKは印刷用。RGBは画面表示用。色の出方が違う。
2. 解像度の確認
- 画像の解像度は300dpi以上が理想
- 配置した画像をダブルクリックし、リンクパネルで解像度を確認
dpiって何だ?数字が大きいほうがいいのか?
1インチあたりのドット数。高いほど鮮明。ただし、データも重くなる。
3. 塗り足し(ブリード)の設定
- ファイル > ドキュメント設定 で塗り足しを3mm程度に設定
- デザイン要素を塗り足し領域まで伸ばす
塗り足し?なんでデザインを外にはみ出させるんだ?
裁断時のズレを考慮。白枠ができるのを防ぐ。
4. トンボの追加
- ファイル > 書き出し > 書き出し で形式をAdobe PDF(印刷)に設定
- マークとブリード タブでトリムマークにチェック
トンボって何だ?切る位置でも示すのか?
そう。印刷後の裁断位置を示す印。正確な仕上がりサイズのため。
5. フォントのアウトライン化
- 全てのテキストを選択
- 文字 > アウトラインを作成 を選択
なんでフォントをアウトライン化するんだ?
フォントの欠落を防ぐため。どの環境でも同じ表示になる。
6. 特色の確認と変換
- ウィンドウ > 分版プレビュー で特色使用の有無を確認
- 特色がある場合は、編集 > カラーの編集 > CMYK に変換 を選択
特色?それも何かわからないぞ。
特別に調合されたインク。通常印刷より高コスト。意図しない使用に注意。
7. リンク画像の埋め込み
- リンクパネルを開く(ウィンドウ > リンク)
- 全ての画像を選択し、パネルメニューから「画像を埋め込み」を選択
埋め込むって何だ?リンクじゃダメなのか?
ファイルに画像を含める作業。リンク切れを防ぐ。
8. 最終チェック
- 表示 > 出力プレビュー でCMYKの色分解を確認
- 表示 > オーバープリントプレビュー で色の重なりを確認
- 表示 > ピクセルプレビュー で画像の解像度を視覚的に確認
うわっ、最後にもいろいろチェックすることがあるんだな。
そう。細心の注意が必要。一つのミスで全てがダメになる。
9. PDF書き出し
- ファイル > 書き出し > 書き出し を選択
- 形式をAdobe PDF(印刷)に設定
- プリセットで「高品質印刷」を選択
- 必要に応じて設定を調整し、書き出し
これらの手順を踏むことで、印刷トラブルを最小限に抑えた印刷用データを作成することができます。慣れないうちは少し面倒に感じるかもしれませんが、この工程を習慣にすることで、プロフェッショナルな仕上がりが期待できます。
へえ、印刷用データ作りって奥が深いんだな。でも、これで完璧な名刺ができそうだ!
そう。細部へのこだわりが質の高い仕事を生む。
素晴らしい理解です。次回は、この知識を活かして実際に印刷用データを作成し、印刷会社に入稿する流れを体験してみましょう。グーとタラと一緒に、プロフェッショナルな印刷データ作成のスキルを磨いていきましょう。